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【連載】生物達が「土を豊かにする」ってどういうこと?

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バイオゴールドのお客様アンケート等で寄せられた土に関するお困りごと・お悩み、疑問・質問から生まれたコラムです。バイオゴールドの研究開発機関R&Dセンターの研究スタッフ 南田が、皆さまの土いじりライフが今よりもさらに楽しいものになることを願い、土に関するいろいろなことを綴ってまいります。ご参考にしていただけましたら幸いです。
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土の中に棲むダンゴムシやトビムシ、ダニ、ミミズなどの生物。土を良くするって聞いても、やっぱり苦手!という方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。かくいう私も、ダンゴムシにはだいじな植物をかじられたことがあり、許し難いところもあります。
 
しかし、彼らは土の世界では大切な働きをしています。
なんとなく嫌われがちな土に住むムシたちですが、彼らへの理解をほんの少し深めてみると、「良い土とは何か」が見えてきます。
 
と言うことで、連載企画「土いじりが楽しくなるお話」3回目のテーマはこちらです▼

生物達が「土を豊かにする」ってどういうこと?
―土壌の小さな生き物編―
植物を育てる私たちにとってミミズやダンゴムシの役割は!?

彼らの大きなカテゴリーは「分解者」。土に来る有機物をどんどん細かくする”分解”を担っています。彼らがいなくては、有機物(例:落ち葉・倒木・動物の遺体や排泄物など)が土の上に落ちてきてもそのままになってしまうんです。
 
「でも、落ち葉とかは結構そのままになっているよ?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。分解者が活発であれば時間をかけず細かくされるところ、寒さや乾燥のため分解者が活発に働くことができずゆっくり時間がかかる環境もあります。落ち葉の種類によっては分解されにくいものもあります。そういう場合は変化が少なく見えるかもしれません。
 
また、樹木の幹なども分解されにくいもののひとつ。そのような分解されにくいものは、自然の中ではシロアリなんかが分解を行っていることもあります。また嫌われ者の登場です。では、そんな嫌われ者たちの有機物の分解や活動は、「良い土」「豊かな土」とどんな結びつきがあるのでしょうか。
 
■有機物の分解が土にもたらすこと
主な所は、こちらです。
1)有機物が細かくされてゆくに従って、植物が吸収できる形の栄養にされてゆくこと
2)土の中を動き回ることで耕してくれること
そしてなんとなんと、
3)土の団粒が作られること
 
「団粒」については、かんたんに言ってしまうと、彼らが「有機物を土粒とを一緒に食べてしまって出てきたふん」。ミミズやダンゴムシが活動していたあたりに、コロコロとした粒がたくさん散らばっているのを見たことがありませんか?虫嫌い目線で見ると気持ちの良い気はしませんが、実はあれが最高に良い土の団粒なんです。
 
土壌生物がつくった土の団粒▼

その理由としては、こちらです。
1)有機物としては細かくなっている
2)団粒としては水にも負けない丈夫さを持ち合わせている
3)生き物が活動しながら出したものなので、土の中の隙間を増やしながら団粒にしている
 
つまり、この団粒が落とされているあたりは、小さい範囲ながらもかなり高い土壌改良がなされた状態!植物にとっては根の張りやすい快適環境なのです!
 
さらにミミズは土の中を動き回り、ミミズサイズの通り道をたくさん残します。これが水や空気の通る道となり、根の伸びる道となり、耕し効果は期待以上!ミミズがいる土は良い土っていうのは、こういうことだったんですね。
 
【まとめ】
「土壌改良には腐葉土などの良質な有機物を土に混ぜ込むのが必須」というのは、直接的な即効性の改善効果だけでなく、土壌生物達がより良く動き回って活動してくれることによる長期的な土壌改善効果が見込めるからです。たいへんな作業だからこそ、うまく力をお借りできるよう自然に近い有機物を補給し、土を柔らかくほぐし、植物だけでなく生物も快適に過ごせる環境づくりを目指してみてください。
 
 
なお、鉢栽培の場合は、適切な土選びと管理をすることによって、これらの生物の活動に頼らなくても大丈夫です。でも、植物の生育しやすい環境は、本来彼らと一緒に作られているのも事実。虫が苦手でも「植物が快適に育つ環境を作ってくれてるなら仕方ないな」と、ちょっと存在を認めてもらえたら嬉しいです。
 
花壇や畑などは土を豊かにすることが豊かな植物栽培を続ける道。あまり土の小さな生き物を邪険にするよりは、上手に働いてもらっちゃいましょう!
 
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【連載第2回】土壌改良で”土が良くなる”ってどういうこと?

【連載第1回】なぜ土作りはテキストによって言っていることが変わるの?

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※この記事は2021年1月20日現在の情報をもとにしています

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